みなさま残暑お見舞い申し上げます。40度を超えちゃうような文字通りの猛暑が続いたわけですが、皆様お元気ですか?
僕ヒロノシンは7月生まれなので暑いなぁと思いながらも大丈夫。わが家の女性陣は夏が苦手なもんだから、本当につらそうだ。スコットランドの血を引くしずか&のどか姉妹もそうだし、暑がりで汗かきな世帯主とトラちゃん(麻布小寅堂店主とその娘)もこの1週間、毎日汗だくだくになりながら帰ってきてた。トラちゃんはそれでも元気なんだけど、世帯主はもうヘロヘロ〜って感じ。世帯主、8月生まれの夏女のはずなのに、不思議だよね。
不思議なことはもう一つある。誕生日にもらった黄色いバラの花束が、玄関ポーチにかざってあったこと。沖縄生まれのシーサーに挟まれて咲いてたんだけど、せっかくのきれいな花、家の中に飾ればいいのにねぇ〜。
なーんて僕が言うと、「そんなことよく言えるわね!」と激しく抗議されそうなので、僕の性癖を正直に告白しておかなくちゃならない……よね?
以下、「草花を愛でる猫」と題して2001年4月12日にリリースされた僕ひろのしんのコラムです。しかし、写真を見るとやっぱり6年4カ月前の僕、若いよねぇ〜。
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「ただい、わっ、やられた!」。世帯主の声を背中で聞くことができたら、今日もゲームは僕ヒロノシンの勝ちだ。
足音が聞こえてきたら玄関で待機する。鍵を開ける音で身を低くして構える。そして、世帯主がドアを開けきらないうちに、外へとダッシュする。
足音をたてないようにしたり、ドアを開ける時に腰を低くしたり、カバンで防御したり。世帯主も毎日いろんな方法で応戦する。僕だって猫だから負けてはいない。勝敗は五分五分ってところかな。
別に脱走したいわけじゃない。僕の目的は玄関先にあるプランターと鉢植えだ。そこに植わってるオリヅルランやアイビー、ハツユキカズラに目がないんだよ。
僕と暮らし始めて、世帯主があきらめたことがある。部屋の中で緑を育てることだ。うちにはハーブや観葉植物、サボテンといった鉢植えがたくさんあるのに、部屋のなかには一つもない。全部ベランダか玄関先に避難させてある。僕が食べちゃうからなんだよね。
4000円で買ってきたケヤキの盆栽、オブジェ風にも飾れるエアープランツ、草花のアレンジメントの形をした粘土細工まで食べちゃった。世帯主が手の届かない所や目につかないような所に置いても、なんとかして僕はゲットする。で、あっという間に丸坊主だ。
普段は聞き分けのいい僕だけど、草花だけは我慢ができないんだよね。自分でも理由はよく分からない。
猫でも犬でも、草を食べるのは胃の中のものを吐き出すためだっていわれる。でも、そればかりじゃないと僕は思う。草花が純粋に好きな猫だっているんだよ。世帯主の実家にいる雑種猫ジュリさんだってそうだ。ただし、ジュリさんは花専門なんだけどね。
ジュリさんが実家にやってきた冬のことだ。花が大好きな世帯主のお母さんがシクラメンやミニバラの鉢植えを買ってくると、翌朝には花の部分だけきれいさっぱりなくなっていた。何度買っても同じ。なんとジュリさんが夜中のうちに食べちゃってたんだ。
だけど、ジュリさんは全然吐いたりしない。僕の場合も、形を変えてトイレで再会することの方が多い。
この前、あるお祝いで贈られた花束を手に世帯主が帰ってきた(写真)。ところが、僕がストーカーのようにつきまとってかじるので、とうとう花瓶に生けて飾ることはできなかった。
「とってもステキなお花なのに……」。緊急避難で入れた青いバケツのまま、大切そうに風呂場や台所、使わない部屋へと毎日避難させて歩く世帯主は、すごく情けなさそうだった。
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<今日の筆者>いとう・ひろのしん(下の黒猫)
雑種。1998年夏、大阪箕面市生まれ。かに座(推定)。きれい好きで、お人(猫)好し。忍耐強さと面倒見の良さには定評あり。得意技は洗濯機もぐり。しずか&のどかという血縁関係のないスコティッシュ・フォールド種の姉妹猫と同棲。飼い主は麻布小寅堂店主。
いとう・しずか
スコティッシュ・フォールド種。1999年大阪豊中市生まれ。しし座。得意技はラッコ寝と、後ろ足投げだしほふく前進。近所の動物病院では「スコティーのシズカちゃん」として人気。2歳年下の妹ノドカと、ヒロノシンという黒い雑種の雄ネコと同棲。飼い主は麻布小寅堂店主。
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